はじめまして。
早慶受験専門塾|天十学舎(Amato Gakusha)代表の宮田です。
この度、ご縁がありましたことを心より感謝申し上げます。
現在、私は早稲田大学・慶應義塾大学の一般入試および総合型選抜を志す生徒様とその保護者様を対象に、オンラインにて個別指導サポートを行っています。
科目指導や添削指導にとどまらず、生徒様一人ひとりの強みや適性を最大限に活かした早慶の合格戦略を設計し、最適な学習プロセスをご提案することを重視しています。
早稲田大学・慶應義塾大学は、全国から優秀な受験生が集まる私立大学の最高峰です。合格を勝ち取るためには、高度な学力と継続的な努力が不可欠ですが、それだけでは十分とは言えません。「どのように学習を進め、どの入試方式を選択するか」—— 受験戦略こそが、合否を分ける決定的な要素となります。
これまで、私は数多くの早慶志望者に向き合ってきました。十分な学力を持ちながらも、適切な戦略を立てられずに本来の力を発揮できなかった方もいれば、的確な戦略のもとで着実に力を伸ばし、合格を掴み取った方もいます。学力だけでは突破できない壁があるからこそ、「一人ひとりに最適な戦略を描き、それを確実に実行する」ことが極めて重要なのです。
受験とは、単なる知識の蓄積ではなく、自身に適した学習プロセスを見極め、実行するプロセスです。しかし、入試制度の多様化が進む現在、自らに最適な戦略を独力で見つけ出すことは容易ではありません。だからこそ、私は皆さんと一緒に合格に向けた最良の道を探り、受験生活という旅路をともに歩む「パートナー」として、誠心誠意支えていきたいと考えています。
ここでは、私自身の受験体験や指導者としての歩みをお伝えするとともに、早慶合格に向けた具体的な戦略のヒントを共有しています。皆さんの挑戦の一助となれば幸いです。
私が高校3年生の頃、皆さんと同じく早稲田大学を志す受験生でした。
福岡県の公立高校に通い、周囲のほとんどが地元の国公立大学を第一志望とする環境に身を置いていました。早稲田はおろか、東京の大学を目指すこと自体が稀であり、私の高校からはスポーツ推薦で早稲田に進学する生徒こそいたものの、一般入試での合格者は10年に1人出るかどうかという状況でした。
実際、私自身も高校3年生の7月までは国立大学を志望していました。福岡では「私立大学=滑り止め」という認識が根強く、一定以上の学力がある生徒は国公立を目指すのが当然とされていました。特に、地元の九州大学は絶対的な存在感を持ち、九大を目指すことが至上とされていました。
そうした価値観が根付いていたこともあり、私も九州大学を目指していましたが、実のところ「行けたらいいな」と淡い願望を抱く程度で、本気で合格したいという強い意志には結びついていませんでした。
しかし、次第に「自分は本当にこの進路を望んでいるのか?」という疑問が湧き上がるようになりました。
「学校の先生に勧められたから」「周囲が当たり前のように国公立を目指しているから」――こうした外発的な理由に流され、深く考えずに進学先を決めようとしていたのです。その結果、受験勉強に対する熱意も高まらず、「この大学で学びたい」と確信を持つことができませんでした。
そんな私の意識を大きく変えたのは、高校3年生の7月のことです。いよいよ本格的に志望校を決定しなければならない時期となり、学校近くの書店で参考書を探していたとき、ふと「早稲田大学」の赤本が目に留まりました。
それまで関関同立は併願校として視野に入れていましたが、東京の私立大学、特に早稲田や慶應を受験するという選択肢は、まったく想定外のことでした。
しかし、その瞬間、「早稲田に行きたい」という感情が、言葉にできないほど強く湧き上がってきたのです。
私はそれまで早稲田のキャンパスすら見たことがなく、唯一の接点といえば、中学時代の友人の兄が早稲田に通っていたことを耳にした程度でした。東京も、高校2年の修学旅行で一度訪れたきりです。にもかかわらず、赤本を手に取った瞬間、「ここしかない」と直感的に確信しました。
当時の私には、明確な根拠はありませんでした。ただ、文系3科目に絞って勝負できる私立大学なら、たとえ早稲田であっても合格できるという、根拠のない自信が湧いてきたのです。
「ここなら、本気で目指したいと思える。」
その瞬間、私は受験へのスタンスを根本から改め、早稲田合格に向けて本気で勉強に取り組む決意を固めました。
早稲田大学を目指すと決めたものの、私には克服すべき3つの大きな課題がありました。
① 早稲田の入試や対策に関する情報が不足していた
先述の通り、私の高校では、スポーツ推薦で早稲田に進学する生徒はいたものの、一般入試での合格者は10年に1人いるかどうかという環境でした。当然ながら、早稲田の入試戦略に精通した先生や先輩はおらず、受験に関する具体的なアドバイスを得ることは難しい状況でした。
大学受験において、適切な学習指針を持つことは合否を左右する重要な要素です。しかし、当時の私は、早稲田合格に必要な学習法や戦略についての情報をほとんど持ち合わせていませんでした。周囲に同じく早稲田を目指す友人はわずかに1人いるだけで、受験に関する具体的な相談ができる環境ではありませんでした。参考書の選定、学習計画の立案、入試戦略の策定――これらすべてを手探りで模索しながら、独力で試行錯誤を繰り返すしかなかったのです。
② 受験勉強を本格的にスタートするタイミングが遅かった
私が早稲田を目指し始めたのは高校3年生の7月。これは、早慶の現役合格者の一般的な受験開始時期と比較して非常に遅いタイミングです。
多くの早慶志望者は、高校2年の夏頃から本格的に受験勉強を始め、遅くとも高校3年の春には受験モードに入ります。特に、早慶の現役合格者の多くは首都圏の中高一貫校や地方トップ校出身者が占めており、スタート地点で彼らとは大きな差がありました。
私の高校は偏差値60程度の公立高校で、国立文系クラスの最上位層が九州大学、私立文系クラスの最上位層が明治・同志社に合格するレベルでした。私の模試の学年順位は文系200名中30位程度であり、この状況下で高校3年の夏から早稲田を目指すというのは、一般的な受験の常識からすれば無謀とも言える挑戦でした。
③ 英語の壁をどう乗り越えるか
私は国語を比較的得意としていましたが、英語は明らかに不得意科目であり、学年のトップ層と比べると模試の成績には大きな差がありました。単語力にはある程度自信がありましたが、長文読解の実践経験や速読力、英文解釈力といった重要なスキルが大きく不足していると感じていました。
特に、早稲田の英語は私大の中でも最難関レベルに位置し、膨大な長文読解と高度な語彙力が要求されます。ただ「苦手を克服する」だけでは不十分で、「早稲田に合格できるレベルまで引き上げる」必要がありました。この課題をいかに克服するか ——それこそが、合格の可否を決定づける最も重要なポイントだったのです。
この状況を打開するため、私はまず徹底的な情報収集を行いました。数多くの合格体験記を読み込む中で、早稲田合格者の多くが共通して「過去問演習と音読の重要性」を強調していることに気付きました。早稲田大学の入試は学部ごとに出題傾向が大きく異なるため、過去問を研究し、適応力を磨くことが合格への最短ルートである。そして、短期間で英語力を飛躍的に向上させるには、音読や黙読による多読を通じて、英文の構造やパターンを繰り返し身体に染み込ませることが不可欠である。
この学習法に確信を持った私は、限られた時間で最大限の成果を上げるために、「過去問演習」と「音読」を主軸に受験勉強を進めることを決意しました。
受験勉強の第一歩として、私は早稲田大学の過去問に取り組みました。残された時間は7ヶ月。遠回りをしている余裕はないと考え、第1志望としていた商学部の最新年度の過去問を手始めに解いてみることにしました。
私は当時、地理を選択しており、早稲田では受験できる学部が限られていました。そのため、早稲田を目指し始めた高校3年の7月の段階で政治経済に転向しましたが、この時点では知識が全くない状態であったため、まずは英語と国語の過去問に挑戦しました。
結果は、英語5割、国語8割でした。商学部の国語は比較的平易な傾向があるとはいえ、初見で高得点を取れたことは大きな自信につながりました。また、英語は苦手科目ではありましたが、「7ヶ月間本気で取り組めば、7割に到達できる」という手応えを感じました。
過去問演習を通じて、早稲田の試験のレベル感を肌で感じることができ、自分の実力がどこまで通用するのか、合格ラインとのギャップはどの程度あるのかを明確に把握することができました。その結果、私にとって最大の課題は「英語を早稲田レベルまで引き上げること」であると認識しました。政治経済は世界史・日本史と比較して暗記量が圧倒的に少なく、7ヶ月あれば十分に得点源として仕上げられる。国語については、すでに合格水準に近いレベルにあると判断しました。
振り返ってみても、受験勉強の初期段階で過去問に触れたことは、短期間で早稲田を目指すうえで非常に有効な戦略だったと確信しています。短期合格を目指す方にとって、まず敵を知り、自分の立ち位置を把握することこそが、最も重要なスタート地点になると思います。
では、私にとって最大の課題であった英語を、早稲田レベルに引き上げるには何をすべきか。まず私は、受験する学部を明確に絞ることから始めました。当時、漠然と弁護士になりたいと考えていたため、法学部を中心に、類似の学問領域が学べる商学部・社会科学部を含めた3学部で勝負することを決めました。
学部選定を早い段階で行ったことは、私にとって大きな意味がありました。前述の通り、早稲田の英語は学部ごとに出題傾向が大きく異なります。英語が課題であった私にとって、むやみに受験する学部を増やすことはリスクであり、多すぎず少なすぎない3学部に的を絞ることで、戦略的に対策を進めることができました。私は「英語を得意にする」のではなく、「早稲田法・商・社学の英語の過去問で7割以上を安定して取る」ことを英語における最終目標に設定しました。
自分が到達すべきレベルを数値として具体的にしたことで、合格のためにやるべきことがはっきりと見えてきました。 ただ漠然と「早稲田を目指す」「英語を得意にする」という目標を掲げるだけでは、学習計画が曖昧になり、日々の勉強の目的や成果が不明確になってしまいます。
後述しますが、私はこの3学部の過去問を徹底的に分析し、そこで問われる能力を逆算して身につけることに特化した学習を行いました。「何を、どのくらい勉強すべきか」という問いへの答えは、すべて過去問にある。そう確信した私は、過去問を軸に学習計画を構築し、合格に必要な要素だけに集中することで、効率的かつ最短ルートで早稲田合格へと進んでいくことになりました。
私が早稲田大学に合格するにあたり、英語で取り組んだことは「単語」「音読」「過去問」の三つのみです。
もちろん、学校の授業で文法問題を解いたり、法学部対策として直前期に自由英作文の演習を行ったりもしましたが、英語学習の大部分はこの三つに注力しました。
私は、高校2年の春休みに『ターゲット1900』を用いて単語を一通り覚えていたため、基礎的な単語力には一定の自信がありました。しかし、過去問を解く中で、難度の高い単語や、類似したスペルの単語を瞬時に識別できなかったり、長文内で派生語や異なる品詞で登場した際に意味を正しく捉えられなかったりすることが多々ありました。
早稲田の英語では、語彙力そのものだけでなく、長文の膨大な分量を素早く処理する速読力も求められます。単語の意味を考える時間が少しでも発生すると、読むペースが乱れ、文章の全体構造を把握することも難しくなります。そのため、私はまず英単語をマスターすることを最優先課題とし、単語帳のすべての見出し語1900語に対し、「見た瞬間に意味が即答できるレベル」を目指しました。
最初は単語帳を1周するのに3日ほどかかりましたが、反復するごとにスピードは向上し、最終的には30分で1周できるまでになりました。この「30分1周」のルーティンは、受験本番まで毎日継続しました。
ただし、早稲田の英語では単語帳に掲載されていない単語も注釈なしで頻繁に登場するため、過去問を解くたびに未知の単語を専用ノートに記録し、『ターゲット1900』と並行して覚えていきました。また、単語を文脈の中で習得するために『速読英単語 必修編』と『速読英単語 上級編』も活用しました。この三つを組み合わせることで、早稲田の英語で7割以上の得点を安定して確保できるだけの語彙力を確立しました。
二つ目は「音読(多読・速読)」です。「音読」は、私が早稲田合格の鍵として位置づけた学習法の一つでした。これは数多くの合格体験記でも取り上げられており、短期間で飛躍的に読解力を向上させる手法として、受験戦略の根幹を成すものだと確信していました。
音読の教材として選んだのは、『速読英単語 必修編』『速読英単語 上級編』、そして「早稲田法学部の過去問」の三つです。
高校3年の夏休み(7〜8月)の約1.5ヶ月間は、まず『速読英単語 必修編』を徹底的に活用しました。当時の私は、英文解釈の知識がほとんどなく、文の骨格であるSとVの識別はできたものの、OとCの違いや形容詞と副詞の役割を正確に理解できていませんでした。一般的な英語学習の手順としては、まず英文解釈を通じて精読力を鍛え、その後に長文読解へ移行するのが定石です。しかし、私には限られた時間の中で最短ルートを選択する必要がありました。さらに、早稲田の英語では国公立大学のような記述式の下線部説明問題や論述問題がほぼ出題されないため、細かい文構造を精査する精読よりも、文章全体を素早く理解する速読・多読を優先するべきだと判断しました。
この学習戦略の核となるのは、「英文を読むスピードを上げ、文構造を意識せずとも直感的に理解できる力を養う」ことです。そのため、私は『速読英単語 必修編』の長文を徹底的に聞き込み、速読を繰り返しました。
まず、長文中の単語や文構造を十分に理解したうえで、音声を使わずに10回ほど通読し、スムーズに読める状態を作ります。その後、音声を通常のスピード、もしくは0.75倍速で再生し、音声の流れに合わせて単語・文構造・内容をリアルタイムで処理できるよう訓練しました。慣れてきた段階で、1.25倍速、1.5倍速とスピードを段階的に上げ、最終的には1.75倍速の音声でも瞬時に意味を把握できるレベルを目指しました。最初のうちは、語彙力や文構造の理解不足により、音声のスピードについていくのが難しいと感じましたが、1つの長文を30〜50回繰り返し読み込むことで、内容が自然と頭に入り、スムーズに理解できるようになりました。毎日1時間30分を音読に充て、この学習を習慣化しました。
9月以降は、より高度な英文に対応するために『速読英単語 上級編』に移行し、さらに11月からは「早稲田法学部の過去問」を音読教材として取り入れました。『上級編』は、学術的なトピックに関する専門的な英文に慣れるための訓練として最適であり、法学部の過去問では、実際の試験レベルの文章に適応することを目的としました。法学部の長文問題は1,000語を超える超長文であることに加え、『上級編』以上に専門性の高い内容が含まれていたため、最初は非常に苦労しました。しかし、この学習を続ければ、英語は確実に早稲田レベルに到達すると確信し、迷わず毎日継続することを徹底しました。
具体的には、11月以降、毎日『速読英単語 上級編』を30分、法学部の過去問を1時間、合計1時間30分を音読に充てるルーティンを確立しました。この学習習慣は、高校3年の11月から入試本番までの約3ヶ月間、一日も欠かさず続けました。
早稲田の過去問音読により、常に早稲田レベルの英文に触れ続けることで、試験本番で出題される単語レベルや背景知識、長文の読み方のコツを自然に習得するだけでなく、「この問題を絶対に攻略する」という強いモチベーションを維持することができました。この継続的な訓練こそが、私の英語力を飛躍的に向上させ、早稲田合格を現実のものとした大きな要因の一つでした。
最後の鍵は「過去問」です。
一般的に、過去問は11月頃から取り組むものと考えられがちですが、私は受験勉強を開始した時点から、過去問を学習の中心に据えていました。それは、過去問が単に出題傾向を把握するためのツールや実力を測る模試としての役割を超え、志望校の入試レベルに最も適した「最高の問題集」そのものであると確信していたからです。特に、学部ごとに出題傾向が大きく異なる早稲田の入試では、志望学部の過去問を繰り返し解き、問題の特性を徹底的に体得することが、最も効果的な対策だと判断しました。
市販の参考書や問題集もいくつか活用しましたが、それらはあくまで補助的なものであり、学習の核となるのは常に過去問でした。実際に私が英語対策として使用した教材は、『ターゲット1900』『速読英単語 必修編』『速読英単語 上級編』、そして過去問のみです。過去問こそが、志望校に直結する知識とスキルを得るための最適な教材であると考え、遠回りをせず、徹底的に活用しました。
7〜8月に各学部の過去問に初めて取り組んだ際の得点は4〜5割程度でした。しかし、何度も解き直し、出題のパターンや論理展開の癖を肌で感じ取る中で、少しずつ正答率が上がり、最終的には6.5〜7割程度を安定して取れるようになりました。もちろん、英語が得意な受験生ならばさらに高い得点を狙えるでしょう。しかし、英語を苦手としていた私が、このレベルまで引き上げることができたのは、過去問を軸とした学習法を徹底したからにほかなりません。
ここで重要なのは、攻略法は誰かに教えてもらうものではなく、自ら過去問と向き合い、試行錯誤を重ねることで得られるものだという点です。過去問を解き、間違えた部分を分析し、同じミスを繰り返さないよう修正していく。この過程こそが、合格へと直結する「生きた学習」でした。
11月以降は、毎朝6:30に学校へ行き、英語の過去問を解くことを日課にしました。その後、空き時間や自習時間を活用して1日かけて復習を徹底しました。先に述べた通り、法学部の過去問は『速読英単語 上級編』と同じく音読のルーティンに組み込み、毎日1時間の音読を継続しました。
結果として、法学部は13年分、商学部は10年分、社会科学部は5年分、合計28年分の過去問を解き、英語については3周繰り返しました。これにより、解法のパターンを定着させ、読解プロセスを洗練させることができました。
こうして、「単語」「音読」「過去問」という三本柱を徹底し、英語を得意科目とまではいかないものの、早稲田の入試で十分に戦えるレベルに仕上げることができました。私自身の経験、そしてこれまで指導してきた生徒の成果を踏まえても、志望大学・学部の過去問を徹底的に研究し、それを学習の羅針盤とすることが、最も合理的で効果的な受験戦略であると確信しています。
7月に早稲田を目指すと決めてから、私は合格だけを見据え、真剣に努力しました。なぜここまで早稲田大学に駆り立てられたのか、今でも不思議ですが、これは誰かに強制されたものではなく、内発的な動機によって定めた目標で合ったことに加え、受験勉強そのもののプロセスを楽しむことができたこと、そして「このまま本気で頑張れば、早稲田に行けるかもしれない」という期待感がそうさせていたのだと思います。
私は、早稲田大学の法学部・商学部・社会科学部の3学部と、立命館大学法学部を受験しました。当初は早稲田に合格しなければ浪人するつもりだったため、他大学の受験は考えていませんでしたが、担任の先生の勧めもあり、試験慣れのために地元福岡で受験でき、入試日程も早い立命館大学の全学部入試を受験することにしました。
私は一般入試のみに絞っていたため、共通テスト利用(センター利用)は出願せず、1日目のみ試験慣れの目的で受験しました。
入試の結果は以下の通りでした。
■ 試験結果(カッコ内は自己採点)
立命館大学 法学部(2/1)
→ 合格(自己採点未実施)
早稲田大学 法学部(2/15)
→ 不合格(英語5割、国語7割、政経7割)
早稲田大学 商学部(2/21)
→ 不合格(英語6割、国語8割、政経9割)
早稲田大学 社会科学部(2/22)
→ 合格(英語6.5割、国語7.5割、政経7.5割)
試験後の手応えとして、法学部は厳しいと感じていましたが、商学部と社会科学部には手応えがあり、「どちらか1つは受かっているかもしれない」と期待しながら合格発表を待ちました。
法学部の合格発表は2月21日、商学部の試験当日でした。昼休みに確認すると、不合格の文字。予想通りの結果ではありましたが、改めて早稲田の厳しさを実感しました。
そして迎えた3月1日、卒業式当日に商学部と社会科学部の合格発表がありました。式の前に商学部の発表があり、結果を確認したところ不合格でした。受験した3学部の中では最も自信があったため、その時点で浪人を覚悟しました。式の後、社会科学部の合否を確認しました。合格の文字を見た瞬間、喜びが込み上げました。瞬間的な喜びとしては、人生の中で最も大きなものであったと思います。
福岡の片田舎から、無謀とも思える挑戦を本気で続けたこの経験は、今でも成功体験として深く刻まれています。そして何より、現在の自分を形作る礎となっています。
大学進学後、私は自らの受験の経験を通じて、より多くの受験生に成功体験を持ってほしいという想いから、都内の個別指導塾でアルバイトを始め、約3年間、早慶・GMARCH志望の生徒を中心に指導をさせていただきました。
指導を通じて痛感したのは、「自分が受験に合格すること」と「生徒を合格に導くこと」は全く別の能力を要するということでした。生徒ごとの課題を分析し、最適な学習方法を設計することはもちろん、限られた時間の中で最大限の成果を引き出すための指導戦略を構築することが求められました。私は、大学の授業そっちのけで、生徒のカリキュラム作成やオリジナル教材の作成に没頭し、試行錯誤を繰り返しながら、より効果的な指導法を模索していました。
大学卒業後は、首都圏を中心に展開している私大文系専門予備校EDIT STUDYにて、早稲田大学専門コースの統括・カリキュラム作成を担当させていただき、多くの早稲田・慶應志望者に携わる機会を得ました。社会人経験が浅く、入社したての私に大役を任せていただいたことを非常に感謝しています。
予備校では一般入試を主軸に指導を行っていましたが、私は指導を通じて、早慶受験の厳しさを改めて実感しました。担当していたコースは浪人生対象であり、その多くは、現役時にGMARCHや成成明学レベルに合格する学力を持ちながらも、「どうしても早慶に合格したい」という強い想いを持って浪人を決意した生徒たちでした。
しかし、実際に早慶の合格を掴めるのは、限られた上位層のみです。特に早稲田大学は近年、英語の難易度が上昇しており、さらに2021年度以降の入試改革によって、共通テストを必須とする学部が増加しました。このような背景もあって、早慶の一般入試を突破することは以前にもまして高い壁となっています。
もちろん、彼らは決して努力を怠っていたわけではありません。1年間本気で取り組み、最大限の努力を重ねていたにもかかわらず、それでも合格を勝ち取れるのは一部の生徒に限られました。
講師も生徒も全力を尽くしているにもかかわらず、なぜ合格に届かないのか。その問いに向き合うたび、受験の厳しさを痛感しました。もちろん、大学受験において大切なのは、合否の結果だけでなく、自ら納得できる過程を歩むことです。しかし、「第1志望合格を目指して1年間努力を重ねてきた生徒たちを、早慶に合格させたい」それが、私を含め指導に携わる講師陣の本音でした。
早稲田大学の一般入試では、合格者の大半が首都圏の中高一貫校をはじめとする進学校出身者であり、さらにその7~8割を現役生が占めています。このような背景を踏まえると、地方公立高校出身の受験生や既卒生にとっては、合格のハードルが非常に高いことが分かります。実際、進学校の生徒でさえ、受験戦略を誤ると早慶合格を逃してしまうほど、競争は熾烈を極めています。
しかし、総合型選抜に目を向けると、事情は大きく異なります。
早稲田・慶應では、学部ごとにさまざまな総合型選抜の入試方式が設けられており、一般入試とは異なる評価基準で受験生が選抜されています。「競争が激しい」というイメージを持たれがちですが、実際には倍率2〜3倍程度の方式もあり、適切な戦略を立てることで、一般入試よりも合格の可能性が高いケースも少なくありません。
総合型選抜は通常、1次選考(書類審査)と2次選考(小論文・面接)の二段階で構成されます。特に1次選考では、志望理由書や自己推薦書を通じて、自身の経歴や大学への志望動機を論理的に言語化し、説得力を持って伝えることが求められます。「特別な経歴がなければ合格できない」と思われがちですが、実態は決してそうではありません。
また、2次選考の小論文に関しても、「卓越した文章力」が求められるわけではありません。適切な指導のもと、小論文の基本ルールや思考の整理法を学び、志望する学部の過去問の傾向に沿った対策を行えば、十分に合格レベルに達することが可能です。実際、私が指導した生徒の多くも、高校入学以降、小論文やレポート作成の経験はほとんどありませんでしたが、特化した対策を施すことで合格を掴み取っています。
こうした背景から、私は早稲田・慶應を目指す受験生にとって、一般入試のみならず、総合型選抜も併用することで、合格の可能性を飛躍的に高めることができると確信しています。
過去に私が指導を担当してきた生徒の中にも、「もし私が総合型選抜の選択肢を提示していたら、第1志望校に合格できていたのではないか」と思うケースが数多くありました。その経験を通じて、一般入試一本に絞るのではなく、総合型選抜を活用した受験戦略を考えることの重要性を痛感しました。
そして、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すためには、指導者自身が多角的な視点と専門知識を持ち、生徒様の選択肢を広げ、最適な戦略を提案できることが不可欠です。
この想いから、私は早稲田大学・慶應義塾大学の一般入試並びに総合型選抜の双方に対応した専門塾を立ち上げるに至りました。
私が提供するのは、単なる学習指導ではなく、一人ひとりの学力・経歴・志望校への想いを深く理解し、最良の戦略を共に築く「伴走型」のサポートです。早慶合格を真剣に目指す皆さんにとって、本当に価値のある選択肢を提示し、良き「パートナー」として誠心誠意支えさせていただきます。
また、当塾のサポートを通じて、単なる大学合格だけでなく、自らの可能性を最大限に引き出し、社会全体の幸福を考えられるような高い精神性を持つ人材へと成長してほしいと考えています。大学受験は人生のひとつの通過点に過ぎませんが、その過程で培った思考力や戦略的視点は、今後の人生において大きな糧となるはずです。
「どうしても早稲田・慶應に合格したい」
「一般入試だけでなく、総合型選抜の対策も含めて多角的にサポートしてほしい」
「学習進捗の管理や進路相談も含め、受験のあらゆることを相談したい」
そのような方はぜひご相談ください。
目標の成就に向けて、ぜひ一緒に頑張りましょう。
ご縁のある方との出会いを楽しみにしております。
―― 早慶受験専門塾|天十学舎
代表 宮田 将希
福岡県出身。1995年生まれ。
早稲田大学社会科学部卒。
独学で早稲田大学に現役合格した経験を活かし、私大文系専門予備校にて早稲田大学専門コースの運営、早慶志望者に対する受験指導を行っておりました。約10年の受験指導経験があり、これまでに早稲田・慶應合格者を多数輩出しています。
早稲田大学や慶應義塾大学の一般入試に関する豊富な知識を持ち、試験の傾向や対策に精通しています。また、早稲田大学・慶應義塾大学の総合型選抜の提出書類や小論文のポイントを熟知し、論理的かつ説得力のある文章を書くためのアドバイスを行っています。
早慶合格を目指す方々に力添えできれば幸いです。